世之介日記VOL.5.5~IT編H~
Zとはその後、あるバンドのライブに行ったり、飲みに行ったりと交流を続けていた。
とある会社の立ち上げメンバーだったZは、上場を機にいわゆる億り人になり、若くして半分引退のような生活をしていた。
「もう、おれはカネの心配をすることはない」
そう言う彼をうらやましくも思ったが、おれには彼のような頭脳も才能もない。
死ぬまで労働をするしかないのだ。
Zの告白があった。
Tちゃん、Rちゃんたちとサシ飲みをしていたとは聞いていたが、どうやらちゃんと手を出していたらしい。まあ、さすがだ。
HちゃんはZの元カノだし、俺とZはかなり血の濃い兄弟になっていた。
びっくりはしたが、笑い話で終わった。
Hちゃんとの付き合いは半年ほどで終わってしまった。
年齢差もあり、話も合わなくなりはじめたころ、彼女が悩みがあるのでおれに会いたいと言ってきた。
一人暮らしを始めていた俺の部屋にたまに遊びにきていた彼女だが、まだ合鍵は渡す前だった。
その日俺は彼女を待ちながら酒を飲んでいた。
ふと目を覚ますと午前1時。
当然電車はもうない。やってしまった!!
部屋のドアを開ける。いるわけがない。
慌てて電話をするも、つながらない。
Zに連絡をすると、部屋まで行ったのに俺が出てこなくて入れなく、帰ったらしい。
つい飲みすぎて眠ってしまったのだ。
俺はとにかく謝りたくて何度も連絡したが、その後彼女とつながることはなかった。
いい大人になってからの酒での失敗。
俺は反省したが、まあ、酒は止めることはできなかった。
そして年齢差のある付き合いはあっけなく幕を閉じた。
その後の彼女がどうなったのか。全く知らない。
幸せになっていてくれたら幸いだ。
そして俺はその後、転職に成功し生活が安定しはじめる。
そして、その職場は女性の割合が比較的高かったのだ。
~IT編~完
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次回予告「VOL5.6~IT編~番外編」
注:これはフィクションです。妄想です。